中野の鼻

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俺と福しん

 福しん。聞き覚えのない人もいるだろう。池袋と新宿を中心としてチェーン展開するラーメン屋だ。ラーメン屋と言うべきだろうか。めしばな刑事タチバナ5巻では「駅前中華」と呼ばれていた。適切な言葉だと思う。

 中野はこの店で注文するものは決まっている。

「餃子とライス」

 これだ。中野には餃子定食では餃子が多すぎる。餃子とライス。餃子が6つと茶碗いっぱいの飯。過不足ない。餃子が190円。ライスが210円。400円だ。

 福しんの餃子とライスには、中野なりのストーリーがあるのだ。

 席に着き、注文する。メニューを見る必要はない。程なくトレイに乗った料理が運ばれてくる。餃子、餃子タレ用の小皿、飯、スープ、漬物。たまらない。トレイの上にちょうどよい分布でそれぞれの食器が置かれている。
 小皿に酢と胡椒を入れる。まずは酢と胡椒のみだ。胡椒をスープにも少し振り掛ける。一滴ラー油をそこにたらし、スープにも二滴ほどたらす。そしておろしにんにくをスープにちょっとだけ入れる。準備は整った。割り箸を割って、スープをかき混ぜ、食べ始める。

 餃子はひとつを二口で食べる。餃子をひとかじり、そのまま飯を食う。餃子と飯が舌の上で調和する。

 食べ進み、餃子が半分になったところで、酢と胡椒だけだったタレに醤油を混ぜる。味に変化が生まれる。ここでそのときの気分によっては、おろしにんにくを少しだけ飯にのせ、一滴醤油をたらして食べる。この選択をした場合はその分飯が減るので、餃子がひとつスープに沈むこともある。
 餃子、飯、同時になくなる。最適なバランスだ。そしてスープを飲む。スープは最後まで飲まない。そろそろ餃子とスープですこし口の中が油っこく感じる。
 そこで漬物だ。白菜の浅漬け。これで口の中は一気にさわやかになる。ゆっくりと漬物とスープを楽しみ、さっぱりと食べ終わる。

 足りないものは何もない。多すぎるものも何もない。これだ。これが福しんの「餃子とライス」だ。400円で楽しめるフルコースだ。

 もちろん餃子が足りないという人もいるだろう。餃子定食なら餃子は8個に増える。それでも足りないなら、100円プラスで定食のスープを「おとも」と呼ばれるミニラーメンに変更することもできる。なんと店によっては「餃子とライス」のスープを「おとも」にしてくれる店もある。隠しメニューだ。

 福しんは展開している地域に偏りがあるので、都内に住んでいても見たことさえないという人もいるだろう。しかし、もし見かけたら一度入ってみるといい。過剰に美味すぎない、日常の日本中華料理があなたを出迎えてくれる。


[鼻文章] Posted by 中野 at 2015-01-19 00:52:55

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