もう今から12年前、月間アフタヌーン1995年6月号に、相撲BEAUTIFULは掲載された。95年春の四季賞を受賞した作品だ。作者は深沢和博、今では全く聞かない名前だ。
相撲ビューティフル…。中野は、12年間この相撲BEAUTIFULのことを一度たりとも忘れたことはなかった。12年といえば結構な時間、一度だけ掲載されたような読みきり漫画のことを忘れるのには充分すぎる時間だ。しかし、忘れられなかった。相撲BEAUTIFULは忘却を許してくれなかった。
今まで中野は、出会った何人もの漫画好きに相撲BEAUTIFULを覚えているか問い続けていた。しかし、その名に反応する人間はほぼ皆無だった。だが、中野の中にある相撲BEAUTIFULの記憶は日々存在を増し、まるで呪いの様に中野に何かを訴えかける。
もう辛抱たまらん。中野は、もう一人相撲BEAUTIFULの呪縛に囚われている町田メガネと共に、永田町へと向かった。
国会図書館で、12年の時を経て出会った相撲BEAUTIFULは、あの時となんら変わることのない存在感と輝きを与えてくれた。いやむしろ思い出の中の相撲BEAUTIFUL以上だった。
そのとき中野の内なる相撲BEAUTIFULの訴えが、今理解できた。漫画作品にとって、人に知られることこそが幸福。四季賞作品はほぼ単行本化されているのだが、なぜかそこにもカットされていない相撲BEAUTIFULを、世に広めるのだ。
と、前置きが長くなったけど、ここに歴史的資料として、相撲BEAUTIFULの内容を紹介してみたい。これは非常に有意義なことだと考えます。もしも中野と同じように12年間相撲BEAUTIFULの記憶に追われてきた人にとっては、きっと救いになることだろう。
東京上空に浮かぶ空中土俵。そこで今、大王綱決定戦が行われていた。現大王綱に挑戦する30人目の超力士、ヤマト部屋・日の丸歌麿。しかし現大王綱、無所属・鉄の海にまるで歯が立たない。
「強い!なんという筋肉!名前どおり鉄だ!奴の奥義とは一体!?」
大王綱に対する日の丸歌麿、持てる力の限りを使い、奥義を繰り出す。
「くらえ奥義!ねじれ渦潮張り手ッ!!」
人体構造を無視した渾身の奥義は見事鉄の海にクリーンヒット。
「効いたか!?」
しかし次の瞬間、ねじれ渦潮張り手をそのまま掴みぶん回す鉄の海。あわれ日の丸歌麿は空中土俵から投げ出された。
「強い!1分も経っていません!半年前突如現れた超力士、あっという間に大王綱になり、その強さは無敵です!!」
アナウンサーの声に日本中は鉄の海コールで沸いていた。
未来の日本、そこは
筋肉勝負の時代。学歴ではなく力による
相撲歴社会だった。些細な事から大きな揉め事まで、全て
相撲で片をつけるのだった。この社会の頂点を決めるのは、
大王相撲と呼ばれ奥義を駆使して争う
超力士たちの競技なのである!
ここはスミス部屋。なにやら念仏が聞こえてくる。念仏の主は一人の超力士。その超力士に人とは思えぬ速度ですさまじいラッシュを繰り出すもうひとりの超力士。しかし念仏の主はその攻撃を全て受け流し、それでも念仏を唱え続ける。
念仏を聞いているうちに眠くなってきた超力士、その隙に張り手一発、ラッシュをかけた超力士は土俵の外まで吹っ飛んだ。
そこはスミス部屋の稽古場。多くの超力士たちが、ちょっとどうかと思うトレーニングを続けていた。ある者は塔をよじ登り、またある者はなんか鉄球に体を埋め込んで。
「どうだ?いくら土俵内を時速50キロで走れる奥義
飛脚へブンを手術で体得しても、しっかりした肉体基礎訓練をし攻撃力をつけねば無用の長物!超力士になったとて油断は禁物!空中土俵なら死んでんぞ!」
「ごっつぁんです!」
そう、さっきの死闘はぶつかり稽古だったのだ。そこにひとりの超力士が現れ、稽古をつけていた格上超力士の名を呼ぶ。
「脳雷撃関脇」
「おう、
麻呂彦関脇!どうよオレの
奥義念仏催眠は!」
「大関昇進も近いな。ところで…本山田大関を見なかったか?スミス部屋の中をずっと探しているんだが…」
なにやら事故現場で、揉め事が起こっている。自動車とバイクの接触事故のようだ。自動車の屋根にバイクが垂直に突き刺さっている。
「ゴチャゴチャぬかすんじゃねえよ!!黙って土俵に来いオラ!!」
「し、しか、しかし…この事故は明らかにあんたのバイクの暴走運転が…」
「関係ねぇな、どっちが悪ィのか、ちゃんと相撲で決めようぜ!!オレが勝ちゃ損害費慰謝料あわせて1億払ってもらうぜジジィよ!どすこい!?」
車の運転をしていたのはもう老人、バイクは若くたくましい男。どちらもマゲを結っている。そう、日本の男はみな力士なのだ。そして、全ての揉め事は相撲で決着をつける。
「そこの土俵に早くこいよ!!オラオラオラ!!」
「卑怯だ!
物言いあり!!」
「あぁ!?」
「
助け力士だ!相手は老人!体格・年齢・筋力の差も歴然だ!弱い方に最低2人助っ人を認める、
力士の情け制度だ!!」
「でしゃばんじゃねっぞ三下ども!!そんな制度はとっくの昔に廃止されたろうが!!誰が大王綱だ!?」
その言葉に反応する一人の長髪の男。彼はマゲを結っていない。
「力こそ正義!弱さは悪!バカ!そう鉄の海様がお決めになったろうがよ!」
さっきの長髪の男、そのバイクの男に近寄りこう声をかけた。
「おい!代打力士だ!負けたらオレが3億払ってやるよ!」
土俵に上がった二人。今行事の軍配が上がった!
「奥義!BOMB・ザ・EYE!!」
「うおっ!!馬鹿な!体が動かねえ!!」
「おおっ!あれは眼光力で脳神経を麻痺させて動けなくする奥義BOMB・ザ・EYE!?」
「えっ!?ではあの男は!?」
動けない相手に一撃!
「鉄の海が決めた!?ヘドが出る!クソッたれがっ!!」
やられた男は数メーター先の自分のバイクにぶつかって炎上!
「すげえ!超力士のパワーだ!!」
「マゲがないからわからなかったけどあの男!本山田大関だ!」
そこへ飛んできた力士型のマシーンが、本山田大関に向かって叫ぶ。
「普通の力士(一般人)相手に何やってる!太郎!やめろ!!」
「麻呂彦の兄貴か!!」
空を道路に出来るのは超力士だけ。そう、このマシーンは力士エアカー。1台800億円。なぜ力士形をする必要があるのかは不明。
「兄貴!何の話だよ!またあの話か!?そのことならゴメンだ!何度も言ってるはずだ!」
「じゃあ一生そうしてくすぶっているのか?いいから乗れ!!」
力士エアカー内。2人の間に会話はない。本山田太郎は、昔を思い出す…。
炎に包まれた相撲部屋。そこには顔面にエキセントリックな斧がブッ刺さった父の姿が。
「…これは…!?死んでる!!しかもハデにっ!!」
「太郎…」
「政子姉さん!!」
姉政子も既に瀕死であった。
「母さんも殺されたわ…あの奥義の全てが記された巻物が…ああ…それを守ろうとして…」
「一体誰が…」
突如崩れる天井!すんでのところで回避した太郎!しかしその崩れた天井の向こうには巨大な凧とそれにぶら下がる何者かが!
「手に入れたぞ!これでわはははは大王綱はわははははオレのモノよわはははは!」
「鉄の海!?最近入部屋してろくにシコも踏まずうろちょろしてると思ったら!くそっ!今は逃げないと!政子姉…」
崩れてきた瓦礫を回避しようもなく埋もれている姉政子の姿がそこにはあった。
「わぁ!姉さん!大丈夫か!」
「太郎…あたしはもうダメッぽい…これを麻呂彦さんに渡して…超力士の守り神よって…」
「なんだって、この変なのが!?あ、あちぃ!!」
「I LOVE MAROHIKO…」
「姉さん!死ぬなっ!!あぢぃーーーーーーっ!!!!」
(鉄の海…あの顔、一生忘れねえ!!俺の部屋をつぶし!家族を殺し!禁断の最強奥義を奪い大王綱となった!)
力士エアカーの中で固く誓う太郎。
(しかし奴は無敵超力士!オレの力ではかなわない…どうしたら…)
そこに空中土俵からまたひとり超力士が落ちていく。
「31人目のどこかの部屋の大関だな…普通の奥義など今の奴には屁のようなもんだ」
「くっ!」
「奴の体得した奥義に対抗できる奥義は一つしかない」
「兄貴!その話はやめろ!」
奴の究極奥義とは…?対抗できるもう一つの奥義とは…?
空中土俵のそばにある、大王綱の屋敷。鉄の海は召使たちに命じる。
「マスコミ、警察、官僚、主婦、誰一人通すな!お前もだ!」
「かしこまりました、大王綱鉄の海」
(他の部分より一回食い足りていなかったか…)
一人になった鉄の海は、鋭利な刃物で右腕を切断して、その腕を食べつくしてしまった。すると切断されたところから、新しい腕が生えてきた!
「ああ、奥義…EAT・MIND(自分を食え)!!自分を食ってもともと持っていた強さをさらにパワーアップさせる、この奥義が実在するのを偶然知ってから、オレの運命は変わった!この奥義書がここにある限り!…体得手術の方法は俺しか知らぬ!他の奴が真似しても死ぬだけ!」
そう!これが究極奥義の正体だったのだ!思わず一句詠む鉄の海。
おかわりで 食えば食うほど 強くなる 鉄の海
季語なし。
「太郎…いや本山田大関、もう一度聞いてくれ」
ここはスミス部屋内緒話ROOM。太郎に親方が語りかける。
「何世代か前、本山田部屋に最強奥義がふたつ開発された。それは誰でも体得すれば超絶に強くなる、究極の奥義だった。ゆえに大王相撲のバランスが崩れるのを恐れた先人達は、巻物にその全てを記し封印した!しかしそのうちの一つが…EAT・MINDが鉄の海によって封印を説かれてしまった…」
「…だがもう一つの奥義が、ここスミス部屋に極秘に保管されていた…だろ?」
「そうじゃ。その頃親しかった親方同士、万が一に備えての策じゃった…それが今!現実となった!バランスを元に戻さねばならん!本山田大関、決意してくれんか!」
「断る」
堪えきれずに、麻呂彦関脇が口を挟む。
「太郎!お前は鉄の海をこのまま黙って見ているのか!?証拠は全く無く、奴は大王綱の権限で事件そのものを迷宮入りさせてしまったんだぞ!誰が奴を裁く!?」
「だーっ!だッだッ黙れ!兄貴は異常だ!!婚約者の姉さんが死んで脳が少しおかしくなっているんだ!あんな奥義!!いくら憎くてもあんな奥義は体得できねえ!!」
「できる!人間に不可能は無い!太郎!ガッツだ!ガッツを見せろ!」
「…無理だ!ガッツ?そんな問題じゃねえ…」
そこまで聞くと、親方と麻呂彦関脇は障子に鍵をかけて部屋を出てしまった。太郎は閉じ込められてしまった。
もう一つの究極奥義とは…?
閉じ込められてしまいやることも無く、いつの間にか眠ってしまっていた太郎。しかし、ちゃんこのいいにおいに目覚めて見れば、そこには特大のちゃんこを前にした親方と麻呂彦関脇。
「おお太郎!今夜は特別のちゃんこ大会じゃ!」
「このちゃんこごちそうしてくれるんすか!?」
「おお、どんどんやってくれ!さっきは無理を言って悪かったのぉ!これ食って仲直りじゃ!」
思わず腹が鳴る太郎。その音を聞いた麻呂彦関脇も思わず笑顔。
「太郎!どんどん食えよ~~」
「兄貴…」
「あー食った食った、最高の肉いいちゃんこだ…!なんかオレだけバカスカ食って悪ィよなあ…ん?」
満腹の太郎がふと見ると、床にはあの姉の形見「超力士の守り神」が落ちている。
「太郎!どんどん食えよ~~」
「ハハハ、さっきからそのセリフしか言ってないじゃん、どうしたの?姉貴のカタミも落とさないでくれる?」
そう軽く投げた太郎だったが、超力士のパワーで投げられた守り神はそのまま麻呂彦の頭に命中し、麻呂彦の首が転げ落ちた!
麻呂彦はすでにロボットだったのだ!
「奥義EAT・力士(力士を食え!)は、鉄の海のEAT・MINDに比べ、はるかに難しい究極奥義じゃ!強い力士の肉をkってそのパワーを得る!余程の事情が無い限り誰も食わんし食われん!」
怒りに震える太郎。
「つ、つまり…その…大王綱に挑戦できる大関太郎と、関脇麻呂彦の力をあわせ…」
「もういい!兄貴を!兄貴をちゃんこにするとき、どうやって殺したんだ!?親方!!」
「そ、そのてんはバッチグーじゃ。ちゃんと手術して奥義加工した肉をちゃんこ名人のトニーオが腕を振るって、痛み無く料理されたんじゃ!」
「乗り切るんじゃ!太郎!鉄の海を倒しバランスを戻す!それが先決なんじゃ!」
からの鍋を叩き割る太郎。
「兄貴は馬鹿だ!ゲロだ!水虫だ!命をなんだと思ってるんだ!一句できた!!
くたばれば 花見はできぬ 頭蓋骨 本山田太郎
我慢できるか!!便所はどこだー!吐くぞっーーーー!!」
兄の死を無駄にする宣言をする本山田大関。しかし体に異変が!突如倒れる太郎。薄れ行く意識の中、親方の声を聞いた。
「すまぬ、肉を消化するまで眠っていてくれ…」
こんな夢を見た…。
砂浜に横たわる恐竜の死体。それを眺める死んだはずの政子姉さん。
「政子姉さん、何を見てるんだ?」
「さんまよ。目の前にあるじゃない」
「さんまぁ!?何言ってるんだよありゃ恐竜だろ姉さん!」
「あらやだ太郎ッたら、アレはさんまよ!」
「…そういえばそんな気がしてきた…」
「ああ、とても臭うわね…」
「ああ…さ…さんまの肉が腐ってるんだな」
目の前のさんまの肉を海鳥がついばんでいる。
「ところで太郎、あんた…麻呂彦さんの肉を食ったなんて些細なことを気にしてるそうじゃないのよ」
「さ、些細!?」
満月や 雲にまみれて 落とし穴 本山田政子
「今のあんたを詠んでみたのよ!なんでもないことを大げさに考えてるって意味よ!」
「な、なんでもない?」
「そうよ。牛肉は食べて人肉はいやだなんて。同じタンパク源なのに。いつまでたっても子供ね、ホホホホ」
「…そういわれれば少し考えすぎだったかも…」
小指を差し出す政子姉さん。
「さあ、約束してちょうだい太郎」
「約束?」
「そう、小さな事にこだわるのをやめて、思うがままに鉄の海に挑戦するのよ!もし約束破ったら、あたしと麻呂彦さんの死霊が一生あんたを恨むわよ。そんなのイヤでしょ?ガンバッテ!ホホホホホホホ」
二人は指切りをした…。
「それじゃ親方、大関の精神を戻して起こしますよ」
画面に大写しにされた先程本山田が見ていた夢。そこには「洗脳特別映画」の文字。それを見て感動のあまり泣いている親方。
空中土俵に向かう太郎。とうとう鉄の海と戦うときが来た。
「策は、ただ一つ!」
脳内によみがえる、親方の声。
「パワーでは完全に鉄の海には勝てん!しかしお前には有利な点が2つある!」
「2つ?EAT・力士にしか出来ないあの業のことだけじゃないのか?」
「もう一つはEAT・MINDに関することじゃ…それはな…」
「はっけよい!のこった!」
野球場ほどの広さの、特設空中土俵で向かい合う二人の超力士。現大王綱・鉄の海と、スミス部屋所属大関・本山田。
「わははははははは!!本山田関!スミス部屋に入っていたとはな!お前ん所の奥義マジでサンキュー!10回自分食ったよなかなかイケるぜ!家族殺して悪ィな~~~クックックッ貴様もここで死ぬんだよ!」
「鉄の海!クソより汚ねえ極悪人のお前を倒す理由がもう一つ!大王綱の権限で徹底した弱者抑圧の政策をしいているな!反吐野郎!」
「フン!ココはオレの国だぞ!選ばれた強い力士だけの相撲王国にするのだ!!ところでオレの視力は自分で10回食って左右共に1400!今日も土星が良く見える!マヌケ!BOMB・ザ・EYEが通用すると思ったか!?頭のパッピーな奴だ!わざわざ殺されに来るとは」
太郎が殴りかかる!しかし殴った太郎の手が砕けた!
「わはははっーーーはっはっ!オレの筋肉は自分を食いすぎてもう鋼鉄よ!スネ毛なんてお前クギだぞクギ!…少し困っている!!」
鉄の海のデコピンで土俵内の櫓まで吹っ飛んだ太郎!何とか転落は免れた!大王相撲は空中土俵から相手を叩き落すか、あるいは殺すかで始めて決着が着く!
「わはははははははは運のいい奴だ!だがその櫓ごと落ちやがれ!!」
鉄の海のシコで空中土俵はマグニチュード10!櫓が落下する直前に空中に飛び立った太郎!
「降りてきたところをブチ殺してやる!!」
「麻呂彦の兄貴!!行くぜ!!」
「必殺!パワーファンタスティック!!」
太郎の体から生えた麻呂彦の手足が伸び、鉄の海の四肢をしっかりと捕らえた!
「しめたー!!2秒が限度だ!!はなすなよ兄貴!!!」
「ぐええ!バ…カな!!オレの鉄の筋肉を…!?」
「心臓だけは食えねえだろ。ここら辺は普通のまんまじゃねえか!!」
「あ!わはははは!言われてみりゃ確かに…そうだっ…た…」
崩れ落ちる鉄の海。
「大変です!新大王綱が生まれました!!無敵鉄の海敗れたりーーー!!!ヒューストン!ヒューストン!!」
「ああだが、なんてむなしさ。空虚だ。兄貴は食っちまったし、オレは一人だ…気分はNOTHINGだ…」
はるか遠くから、風に乗って、何かが聞こえる…。
「はっ!この音は!?…相撲太鼓に相撲囃子!一体何処から…」
音の聞こえる方向を見返る太郎。そこには…。
「富士…?」
何処からか、桜の花びらが空中土俵まで風に吹かれて飛んできた。
「…そうか土俵が…相撲が呼んでいるんだ…オレを…!」
「ああ相撲…相撲BEAUTIFL!」
これが、相撲BEAUTIFLの全てです。これだけでも中野の脳に12年間も食い込んで離れなかった理由が分かってもらえると思いますが、実物を読めばその本当のすごさが分かるはずです。何かの怨念の篭ったかのような肉体描写、サイケな描画、描き込みの密度。もうトラウマです。
最後のページにはこんなことが書かれていました。
「深沢和博氏は現在、教育をテーマにした作品を構想中!」
この作者が、教育をテーマにした漫画!!結局それが書かれたという情報を中野は知らないが、もしどこかに掲載されたというのなら、是非とも見てみたい。いや、見ねばなるまい。
この作者が現在何処でどんな活動をしているのか、それさえも全く分かりません。もし、今も執筆活動を続けているのなら、今どんな名前で活動しているのかが知りたい!中野の予想では尾田栄一郎辺りが怪しいと思っているのだが!
ああ、単行本化されないものか。
「ところでオレの視力は自分で10回食って左右共に1400!今日も土星が良く見える!マヌケ!BOMB・ザ・EYEが通用すると思ったか!?」ここだけ克明に覚えている自分が怖いわ。
「相撲ビューティフル」。あぁ、時折ふと頭に浮かぶ、しかし補完のしようが無いタイトルでした。ありがとうございます、国会図書館という手があったんですね。最後のコマがまんま記憶と同じだったのには笑いました。
その後、作者さんが活躍されていないようで本当に残念です。
あの頃のアフタヌーンは目指せ1000ページ超とか相当イッてた記憶が・・・。4コマで四季賞を受賞した「インチキ」も印象深い作品でした。他の月刊誌ではアニマルハウスも頑張っていて、良い時代だったなあと・・・。