中野はポップコーンがあまり好きではない。あれば食べるが、自分から買って食うというほどでもない。映画館でもポップコーンは買わない。
ポップコーンを好まない理由があるのだが、つい先日その話をしたところ、それは一般的に理解される内容ではなかったらしいと知った。
ポップコーンは、靴下の臭いがする。
そう、ポップコーンは靴下の臭いだ。誰が何と言おうと、ポップコーンは靴下の臭いなのだ。間違いなく。なんでみんなそんなにポップコーンをぼりぼりと食えるのだ。靴下の臭いだぞ?あれか?納豆みたいなもんか?靴下の臭いが慣れれば美味く感じるのか?
そう思って今まで生きてきたのだが、先日はじめてそれは中野だけだと言う事がわかった。そう、中野だけの事情なのだ。
中野だけがポップコーンの臭いを靴下だと感じているのではなく、中野の靴下だけがポップコーンの臭いなのだ。
中野の靴下はポップコーンの臭い。べつに自分の靴下だからそう感じているわけでもないだろう。自分の屁の臭いだけはあまり臭く感じない、みたいな現象ではない。明らかに中野の靴下はポップコーンの臭いなのだ。
ためしに中野以外の人に嗅がせてみた。
「絶対ポップコーンの臭いするから!」
「嫌だ!絶対に嗅ぎたくない!」
「本当に!ポップコーンだから大丈夫!」
「靴下じゃないか!」
「良いからホラ、嗅げよ!根性なし!」
「…じゃあ嗅いでやるよ…ッ!」
「よし、さあ嗅ぎたまえ」
「……………………………ポップコーンだッ!?」
第三者の鼻にもポップコーンと感じることが出来るこの靴下。やはりポップコーンは中野の靴下の臭いなのだ。何が原因でこうなったのかはわからない。しかしこれは事実。
可能ならば、大勢の人間に嗅いでもらい、確実にポップコーンの臭いがするということを証明したい。みんな嗅いでくれますか。
恐らくは中野以外にも、ポップコーン臭いの靴下を生産している人がいると思う。もしいたら是非とも名乗り出てほしい。何のためかは知らないけど。