世界の孫が終わった今月のアフタヌーンで、篠房六郎により始まる連載漫画「百舌谷さん逆上する」が、ちょっと気になる。
冒頭から、金髪碧眼の少女が「ツンデレなんです」と紹介される。
少々ツンデレという言葉だけで片付けられないほどのような気もする。あ、でも前日からドキドキしてたってあたりにはかわいらしさを感じなくもない。
しかしそのツンデレは、萌え要素でもなんでもなく、病気である。
好意を感じてしまうと、感情が正常に働かず、逆の感情表現になってしまう症状。第一話から主人公の百舌谷さんはそのことの苦労とそれに伴う怒りをクラスメイトにぶつける。
さらにややこしいことに、ツンデレ的なものとは関係なくこの百舌谷さんは暴力的だ。そんな症状の結果だろうか。その結果、好意の裏返しの暴力と嫌悪の暴力の区別がつきづらく、さらに問題が転がっていく。
そんなツンデレの結果、実に不幸な事件が発生したり、生きているだけで回りに被害を生む自分を呪いつづけたり。
篠房六郎的に、ツンデレというものに対する答えを出そうとしているようだ。世に氾濫する表面だけの薄っぺらいツンデレが何より憎いのかも知れない。
ツンデレの形をとった、コミュニケーション障害を描く作品ではないだろうか。ちょうど「天使な小生意気」が、性同一性障害を描いた作品であったように。
まだ第一話で、海のものとも山のものともつかないが、注目するべき作品ではないだろうか。なにより、空談師やナツノクモでたまったフラストレーションやルサンチマンを存分に発揮してくれそうな気配がギュンギュンする。
世界の孫は終わってしまったけど、やはりまだアフタヌーンは読まざるを得ないようだ。