中野の鼻
ナビゲーションバーへジャンプ
実用!本当に読んだと思わせる読書感想文!
読書感想文という定番の夏休みの宿題は、読書が嫌いな人間を作る元凶である。他人から読まされる本というのは、どんなに名作であっても面白くない。読書というのは読みたいと思ったときに読みたいと思ったものを読んでこそだ。
読書感想文を描くための読書なんてものは、読書というもののあり方として正しくない。
それでも読書感想文を書かされてしまう夏休みの学生たちのために、定番の文学作品のタイトルと読書感想文の書き方をババンと紹介しよう。これを参考にして適当に原稿用紙に書き付ければ、読んで無くても読書感想文の出来上がりだ。
有名な読書感想文サイトもネットにはあるが、そういうところの感想文を参考にしたって簡単にバレてしまう。なのでなるべくそういうサイトでは扱われていない視点で書くように心がけた。
あと、本の後半の内容に注目すると、本当にしっかり読んだように見える。そこも意識して、後半に偏ったものにしておこう。
今回の記事は、なるべく多くの人に、というか読書感想文に苦しむ予定の学生たちにどんどん見てもらいたい。しかしこれを真似た読書感想文で何か被害にあっても責任は取れないけど!
「こころ」 夏目漱石
定番のこころ。主人公に先生と呼ばれる男性の思い出話が中心だ。先生とKの友情に始まるが、先生はKを裏切って生涯の伴侶を手に入れ、Kは自殺する。
だがこんな誰でも知っているようなあらすじだけで感想文を書いては、読んでいないことがバレバレだ。ならば注目すべきは、Kの飼っているウサギだ。頑固で実直なKらしくウサギに名前をつけていない。しかし先生は、Kがウサギに惚れた女性の名で呼びかけている姿を目撃しているのだ。
Kの死後、先生はそのウサギを引き取って育てるのだが、ほどなくウサギは逃げ出してしまう。自らを抑え続けた結果自殺したKと、自由を求めどこかで野垂れ死んだか野犬にでもやられたかしたであろうウサギの対比は、作中ではほぼ触れられていない。それだけにここに注目すれば、本当に読み込んだと思わせる良い感想文になろう。
また、デスノートの作者が表紙を書いてちょっと話題になったので、今なら読んだと信じさせやすい。
「アルジャーノンに花束を」 ダニエル・キイス
「24人のビリーミリガン」を書いたダニエル・キイスだが、アルジャーノンを書いていたからこそビリーミリガンが取材に応じたという。そんな王道作品だ。
主人公チャーリー・ゴードンは生まれつき知能が低いのだが、脳手術の実験体になり、先に脳手術を受けたネズミのアルジャーノンと共に知能がどんどん高くなっていく。しかしアルジャーノンの知能があるときを境に低下していき、自らの知能の低下を恐れる日々。あらすじはこんな感じだ。
後半を中心にといっても、ラストはタイトルにもなっているようにアルジャーノンに花束を手向けるというものなので、ここはあえて避けよう。そして映画やドラマにもなっているので、そこで使われたシーンも避けよう。
毎日チャーリーたちの検査や実験に追われる研究チームの一人エリックが、ストレスから精神に異常をきたすシーンがあるのだが、そこがいいだろう。この作品はチャーリーの日記という形式をとっているので、知能が高くなったチャーリーの視点で描かれるエリックの異常が非常に印象深い。
知能は高いが人生経験が非常に乏しいチャーリーは、エリックの行動に意味を見出そうとしてさまざまな言語の文献を読み漁り、エリックが幻覚作用のある薬物を使用しているのではないかと仮説を出す。その数日後エリックは自殺未遂を計り研究チームからはずされるのだが、その唐突さも含めたリアリティがこの作品の魅力だと思った、などと書けばいいのではないか。
「変身」 フランツ・カフカ
難解な小説と思われがちな変身だが、カフカは友達を笑わせるためにこれを書いたという話が残っているほど面白くて読みやすい話だ。
主人公グレゴール・ザムザが朝起きたら毒虫に変身していたという冒頭ばかりが有名になりすぎて、中盤移行がまるで知られていない。なので後半なら何を書いても大丈夫だろう。
後半、グレゴールが毒虫になったために経済的に追い込まれた家族は不仲になり、両親が離婚するのだ。酒びたりになった父と毒虫になったグレゴールと妹のグレタだけになり、グレタは町の貴族の愛人になり家族を養う。このときのグレタの「売るほど愛があるからそれを売る」という台詞も有名だ。
最後はグレタが酒びたりの父に強姦されかかり、堅い林檎で頭を強打して父を殺害してしまい途方にくれるのだが、毒虫になった兄がその罪を自らかぶるシーンは、たとえ姿が変わっても兄弟愛は不滅だと感じさせる、とかそういうことを書けば教師にウケるから書いたほうが良い。
「蟹工船」 小林多喜二
現代にこそマッチしているとか言われてもてはやされている蟹工船だが、実際は働いても貧しいという以外は何もマッチしていない。
オホーツクでカニ漁をする博光丸という名の船。低賃金で過酷な労働をさせられて次々と倒れていく船員たちは一致団結してストライキを起こす。
その結果博光丸を乗っ取るのだが、ソビエトの小型軍用艇に身柄を拘束され、より過酷な条件の待つ強制労働施設に送られてしまう。カムチャッカ(作中ではカムサッカ)に運河を作るうち、元の博光丸がなんと幸せであったかと思い返すというものだ。
ソビエト人で日本語が使えるウラジという男が登場するのだが、こいつがなかなか良い味を出している。自分たちをどこに連れて行くんだと聞かれて「地獄さ行くんだで」と気の毒そうに答え、最後まで日本人の身を案じていた。国や立場が違っても人の優しさは変わらない、とか書くと非常に良い。今の社会情勢に重ねてみたりすると、どっかで書評を読んでパクったと思われるので注意!
「人間失格」 太宰治
やはり学生のうちにこれを読んでおけ、とか言われがちな作品といえば「こころ」かこれだ。ちなみにこの「人間失格」もデスノートの人が表紙を書いたので、これまた都合が良い。
有名な冒頭「恥の多い生涯を送って来ました」から始まる、「自分」の3つの手記。ここはもちろん最後の手記に注目したい。
第二の手記最後で人妻と心中するも一人生き残り、その所為で学校を退学させられるところから始まる。そこから「自分」は幾人かの女性にのめりこんでいくのだが、そのうちの一人がケータイ依存症のひきこもりであった。
ひきこもりの彼女の家に住み着く「自分」は、ネットを使った株の取引もそこそこ上手く行き快適な引きこもり生活を送るのだが、彼女が出会い系サイトで知り合った男に連れ去られ、あまりのショックに漂白剤を一気飲みして自殺未遂、一命は取り留めたもののそのまま精神病院に叩き込まれる。
最後は実家に帰って「自分」はただ生きていくだけだ、と終わるオチも何もない話だが、実体験のように重みを感じる手記に引き込まれる。
やはり感想文としては、どんなにひどい人生に見えても何か美しい輝きを放つ瞬間があることを知った、みたいに嘘でもポジティブに見せかけて閉めると、きりっと引き締まる。あとケータイ依存症は恐ろしさが身近に感じられたとか書いておくと、ますます本当に読んだと思わせられるだろう!
とまあ、とりあえずはこの辺でいいだろう。ほかにも教えてほしい読書感想文があったらコメントなりしてくれれば、中野の読んだことがある範囲で答えよう。
本編を読まなくても書けるように読書感想文を紹介したけど、読まないことを推奨しているわけではない。例え今は丸写しの感想文を書いたとしても、いつか本物を読んでほしい。もちろん自分が読みたいと思ったタイミングで。
どの本も、長く読まれているだけあってちょっと古いけど、きっと読んでよかったと思える内容だから。そして読書感想文を書く前にちゃんと読んどけばよかったと思うだろう。
びっくりするよ。
[鼻文章]
Posted by
中野
at 2008-07-19 18:17:35
コメント
危険文章レベルだよ、この記事。
ウラジの下りをだせば、ハンパな教師は一撃で倒せる。
日教組がんばってる教師には無力化されそうだが……
たくさんの子供が、これを真似て読書感想文を提出して欲しいな。
うむ、読書感想文かくあるべきというものを書けた気がするよ。むしろ読書感想文制度に一石を投じた気もするが。
しかしこの文章の危険さに気がつく人は少ないのかも知れぬ。
>>しかしこれを真似た読書感想文で何か被害にあっても責任は取れないけど!
責任取れないなら書くなよ。
人のマンガは表紙がどうのこうの、仕事もしないで出世して等、言ってるが自分は何書いても良いのか?自分がブログで100%本当のことを書けないのなら人の作品(フィクション)にリアリティ求めるな。
↑の人はよくわからんが、このブログで批評されたマンガの事でカチンと来た事があるのかな?^^
ああ、なんてわかりやすいんだwここには極めて
純度の高い”悪意”が見えるw中野さんへのw
ガンダムの中でララァが死ぬ時「ああアムロ時が見える。。。」とか言ってたがアレは本当は・・
「ああ中野さん(極めて純度の高い)”悪意”が
見える。。。」と、本当はいいたかったに違いないかどうかは神のみぞ知る。と。w。
面白かったですよ。感想文の手引きw 『蟹工船』がこんな話だったかと割りとビックリしました。遠洋で性欲を持て余した漁師がケツをほりあったり、糞つぼ(だっけ?)と呼ばれる寝床には
蚤がピョンピョンいたりとか、そんな記憶しかなかったw 漁師になるのは死んでもゴメンだ!とかそんな感想しか覚えてないやオレw
漫画で名作ですか…。名作は普通に活字で読んだほうが面白いと思うのですが、どうでしょうねえ。
ちゃんと読めばわかるはずなんだけどなあ。気持ち悪いなあ。
蟹工船は今話題になっているけど、実際に読んだ人は少ないんじゃないかな。プロレタリアで言えば蟹工船よりもセメント樽の中の手紙の方が現代に近い気がしますよ!
「本当に読んだと思わせる読書感想文」で検索して来ましたぁ(^O^)
超つかえる!友達にもオススメしときマス。ガチで!
もし第二弾があるなら、アキバ系萌えの基礎「伊豆の踊り子」トカ、元祖キレる若者「異邦人」ナンカもギザ書いて欲シス。
とりまウチらのクラスは「変身」でオソロにしようと思ウィッシュ!
愛を売るとかケータイ小説っぽくてマジ泣きシマシタ。
友達にススメられてマジ来ちゃいましたァ(^O^)
「人間失格」の表紙、マヂイケメン〜!どこが人間失格なんだろ〜?むしろ合格って感じィ!
「異邦人」の太陽のせいにして人を殺すところなんてマジ使えるよね〜!人を殺すなんて怖くて出来ないけどぉ、いざとなったら太陽のせいにしちゃおうかなあ、なんてね♪
でもぉ、本読むなんてマヂめんどくさぁい〜!ケータイ小説の方が、会話と擬音ばかりでマヂ読みやすいし、お手軽ぅ〜!太宰治も見習えばいいのにィ〜だから人間失格なんだよ〜なんちゃって〜ヾ(≧∇≦*)ゝ
凄くピンポイントに検索してきたな!!伊豆の踊り子と異邦人か、どっちも昔読んだからやってみるかもしれません!しないかも!
いいから本読めよ。というか異邦人は読んでるのかよ、すごい小学生だな!
「蟹工船」って「カムイ伝第1部」みたいだね
なんかこう、次々ひどいことが起こる連鎖って、
今の漫画にはないと思われ
「カムイ伝」はがんがってヤフオクでとりよせてはみたけど、内容があんまりにも壮絶すぎるんで文字通りお蔵入りになってまいました。
うわ、カムイ伝読みたい!!可愛がってた鷹を見殺しにして逃げるのってアニメだけだっけ?
太宰作品は中学生の時ほぼ一気読みしましたね~若気の至りですな。短編も多いので読みやすいと思います。写真で見る実際の太宰氏は結構な優男で、女が水の底まで(汗)付いてくるのも分かります。
漱石作品は個人的には川久保潔の朗読が良いと思います。「こころ」などは黒いオーラ(笑)がにじみ出ていて絶品です。
そうなんですよ、文豪と呼ばれる人の作品も結構短編が多いので、みんなもっと読めばいいんですよ。あと太宰は結構モテたくせに絶望とかしててズルい。
「人間失格」に中野さんの優しさを感じます。
はい、優しさと弱さには定評のある私ですから。ここぞというところで腰が引けます。
純文学以外にも(いんちき)ベストセラーもお願いします。
失楽園などなど。
あ、そもそも読書感想文には選ばないですね。
夏休み時期が過ぎたときに、気が向いたらふらっとやってみますね!
ウサギなんか出てきましたっけ?
あら、よーく読まれましたか?
素晴らしい!特に人間失格なんか(笑)
現代の中学生にも分かりやすい内容で(笑)
楽しませていただきました。 あ~笑った。
そう,わかりやすさが大事なんです。わかりやすさが。
さすがに未読者でも検討つくはずですよ
相当の雑魚ならわかりませんけど
ありがとうございます;;w
課題図書で困ってた時にここ見つけてww
すごく良くかけました!w
上手にまとめていただいてどう書いたらいいのかもわかったので。
ほんとに感謝してますありがとうございました。
笑いました~
とても現代ぽくて良いですねっ
わかりやすいです笑
コメントを登録
トラックバック
ウラジの下りをだせば、ハンパな教師は一撃で倒せる。
日教組がんばってる教師には無力化されそうだが……
たくさんの子供が、これを真似て読書感想文を提出して欲しいな。