携帯を変えようか、そう考えた。すると携帯電話の性能が急激に落ちた。
すでに電池が膨らんでいて、満タンからちょっとネットやメールに使っていると30分ほどで残り電池が1本にまでなっていた。普通に電波がガンガンある場所でいきなり圏外になっていたりするのでそのたびに電源入れなおしをしていた。そもそも画面がにじんで見えにくい。
しかし、携帯を変えようと思ったその日、満タンから10分で残り電池1本になった。
なんだか、まだ捨てられたくないといってわがままを言っているようにも見える。
ごめんよ携帯。今までの活躍にはとても感謝してるんだよ。本当だよ。メールもいっぱいしたし、いろんなサイトも見た。
通話はあまりしなかったけど、手品の道具になってくれたり、愉快な着信音で楽しませてくれたりした。ありがとう、携帯。
いつもポケットの中で狭苦しい思いをさせていたと思うと、ちょっと可愛そうだ。たまには立派なストラップでもつけてやれば良かったか。でも黒いボディにアメ色の輪ゴムは似合っていたよ。
いくつもの思い出がこの携帯にはある。いろんな人と中野を繋いでくれたこともあった。ありがとう携帯。明日にでも携帯を新しくするけど、この携帯も手元に残そうと思っている。
ああ、どこかの寺にでも持っていって供養してもらったりするのも悪くないな。
携帯電話を新しくするたびに、みんなこんな悲しくて寂しい気持ちになっていたのか。涙でにじんで携帯の画面が良く見えないよ。いや、これはただ画面がにじんでるだけか。